Sunday, May 20, 2012

韓国語と日本語の関係

私は言語学者ではない。これから書く内容は、高校などで習った一般的な知識のレベルの話である。

ヨーロッパの諸語を見れば、その関係がとても体系的に分類されている。ツリーになっている。しかし、アジアの言語の場合はそうでもないみたいだ。特に韓国語とか日本語はその起源が曖昧であるようだ。多分、ヨーロッパでは表音文字が発展されて昔の言語の音を復元するのができて、アジアは漢字、つまり表意文字を使ってきたし、昔の記録もあまり少ないから昔の言語を研究するのが難しいのが原因ではないのか。ローマやギリシャのテキストが今まで残っていることや、紀元前のエジプトの記録がたくさん残っているのはとても羨ましい。韓国の場合、高麗以前のきろんがほとんどないのと同じだ。

韓国語と日本語は本当に曖昧な関係だ。韓国の言語学者の中では韓国語と日本語を同じ系統としてみようとする人が多くて、日本ではそうではないようだ。私の大学の教授は日本語は昔の百済の言語の変形だから、韓国語から来たという極端的な主張もしていた。(その人の話はあまり信用できないことが多かったけど。) なぜこうなのか。

固有語の共通点が少ない。

固有語とは中国から伝われた語彙ではない、自国の固有の語彙のことである。韓国語と日本語の固有語はほとんど共通点がない。英語とドイツ語を見れば固有語にはっきりと共通点が見られる。

英語
ドイツ語
韓国語
日本語
name
Name
irum
na, namae
man
Mann
saram
hito
water
wasser
mul,(mi-)
mizu
go
gehen
kada
iku
snow
Schnee
nun
yuki
word
Wort
mal
kotoba
dog, hound
Hund
kae
inu
cat
Katze
koyangi
neko
mouse
Maus
jui
nezumi
chicken, hen
Huhn
tark
tori
fish
Fisch
mulkoki
sakana
bear
Baer
kom
kuma
sun
Sonne
hae
hi
moon
Mond
tal
tuki
star
Stern
pyul
hoshi
cloud
Wolke
kurum
kumo
英語はちょっと特別な言語である。元々はドイツ語と同じ系統の言葉であったが、フランス系の侵略によってフランス語の侵入が多く、高級語彙はラテン語やフランス語かされているラテン語になっている。なので、英語の高級語彙とドイツ語を比較すれば関係ない場合が多いが、上の表のように生活でよく使われる基本的な単語はとても似ている。

と言っても曖昧に似ている固有語もある。

韓国語と日本語の場合は殆ど全然似ていないが、少々似ている単語もある。例えば、水は韓国語でmulであるが、接頭語の形ではmiもある。これは日本語のmizuとなんか関係があるかもしれない。熊、雲、太陽などは韓国語と日本語の発音がにている。でも、この数がすくないから、偶然の一致や個別的に伝われたものか、言語自体の系統が同じなのか曖昧であるようだ。
これは余談だけど、時々「韓国語って日本語にたくさん似ているね! 例えば、学校とか、無理とか発音がにている」という日本人がいるが、漢字語が一致するのは系統と何の関係もない。これはカンガルをドイツでもカンガルって言っているし日本でもカンガルと言っているいるからドイツ語と日本語は関係があると思うのと同じかもしれない。

古語に似ている言葉がある場合がある。

15世紀の韓国語には괴다(koida)という動詞がでてくる。可愛がる、愛するいう意味であったが、今はもう使われていない。しかし、日本語の「こい、恋」に似ていると思う。偶然なのか。

私という意味の韓国語は「나 na」である。日本語の辞書にも「な」という名詞が載っている。
な【己/× 一人称の人代名詞。わたくし。自分。「常世辺(とこよへ)に住むべきものを剣大刀―が心からおそやこの君」
これは偶然とは思えない。


語順は殆ど同じで、助詞の使いも殆ど同じ。でも動詞の活用などは違う。

韓国人や日本人が英語を習うときは語順が全然違うので苦労する場合がある。韓国語と日本語は単語のいちに関係なく、助詞で文での単語の資格を表す。
  1. 猫はねずみより速い。 (고양이는 쥐보다 빠르다.)
  2. ねずみより猫は速い。   (쥐보다 고양이는 빠르다.)
  3. 速いねずみより猫は。   (빠르다 쥐보다 고양이는.)
上の3つは同じ内容である。しかし、英語の場合は、
  1. Cats are faster than mice.
  2. Mice are faster than cats.
単語の並べによって誰が速いのかが変わる。英語は単語の位置が重要なのだ。
日本語は助詞で細かいニュアンスを表す時があるが、それが英語ではあまり表現できない場合がある。でも韓国語では殆ど同じく表現出来る場合がある。
  1. 私は猫である。
  2. 私が猫である。
この違いは英語で表すのはちょっと難しいもしれないが、韓国語では助詞는, 가の区別で表現できる。

こんな所もあれば、動詞の活用、形容詞の活用などは韓国語と日本語は共有してない。だから、韓国語の文法は日本語の文法に同じだ、ということは大げさだと思う。

中国から伝わった同じ漢字語がたくさんある。近代日本から伝われた和製漢字語もある。


韓国語の中には漢字語が多い。ほとんどが日本語でも使われているものなので、日本人が韓国語を勉強するときには役に立つと思う。

日本の固有語を漢字で表記したのを漢字の発音で読んで使っている単語が多い。

韓国は20世紀に日本の植民地であった。その時に日本語がたくさん入ってきた。大分は最近の言語順化の運動で減ったけど、韓国人が意識せずに使っているタイプの日本語がある。

「わりびく」は中国とは関係のない日本語であるが、日本人はこれを表記するときに漢字の意味をかりて書く。「割引き」とか「割引」になるが、この漢字を韓国語の漢字の発音で読むと할인(割hal, 引in)になる。もちろん日本の発音そのままだと와리비키になるだろうけど、와리비키というと日本語だとすぐわかるほど発音に違和感がある。でも、할인と読むと、中国から伝われてもう韓国語の一部なっている他の漢字語と区別ができなくなり、違和感がない。それで韓国人はこんな日本語をたくさん使っている。こんな単語は例えば次のようなものがある。

절상하다(きりあげる、切り上げる)
대합실(まちあいしつ、待合室)
창구(まどぐち、窓口)
취합하다(とりあう、取り合う)
취급하다(とりあつかう、取り扱う)

韓国語と日本語の関係は確かに面白い関係である。両国の人はお互いの言語を習うことで、国語をもっと知ることができるのではないのか。

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