Sunday, March 04, 2012

韓国では漢字を使わないのではないか?

いや、違う。韓国の事情は複雑だけど、短い答えは「違う。」である。


では、その理由をこれから述べよう。韓国には「ハングル」という固有の文字がある。これは15世紀に朝鮮の世宗という王が発明した文字で、24字で全ての音を表現する表音文字である。日本のひらがなのようなものだと思えばいいだろう。その前までは韓国には独立文字がなかったので、漢字だけを使っていた。しかも歴史的に韓国の古代の国の政権は支配に中国の制度を利用しようとしたので、例えば地名も人名も中国式に変えた。(現代の韓国の地名、人名は中国式) 元々もあった純粋な韓国語の単語が失って同じ意味の漢字語がそれを代替した場合も多い。例えば、日本では「あした」という日本固有の言葉がある。それを漢字の明日と表記してもそれは「みょうにち」ではなく「あした」である。多分韓国語にも明日を意味する純粋な韓国語があっただろうが、いまは漢字の「来日[r/nae-il]」という単語しか残っていない。


韓国語の語彙の相当な部分を漢字語(大体中国から伝わって漢字を並べることでできている単語)が占めている。今や日常でほとんどハングルだけて書いていても、言葉自体に漢字語があるので、それをハングルという表音文字で表記していることである。それは比喩でいえば、「私は大学で数学を勉強しています。」を「わたしはだいがくですうがくをべんきょうしています。」のように表記しているのに同じだ。ひらがなを使っていても漢字を使っていないとも言えない。


人の名前も中国式になっている。韓国語では純粋な韓国語を漢字の意味を借りて漢字で表記することはない。だから漢字はいつも漢字の音で読まれる。人の名前が漢字でできているのは日本も同じだろうが、韓国の人名は本当の漢字の発音でよまれるというのが違う。韓国の人名は苗字が一字(稀に二字である場合もある)で、下の名前が二字(時々一字である場合もある)でできている。最近は例外的に漢字を使わない下の名前も時々あるが、まだ少ない。


韓国の地名もほとんど中国式で漢字でできている。はるか昔には純粋な韓国語だった地名も朝鮮とかになって漢字に変えた場合がある。例えば、大田[dae-jeon]は昔は「はんばっ」と呼ばれたらしくて、それは文字通り大きい畑という意味である。現在韓国の都市の名前では「ソウル」を除いては全てか中国式名前なっている。


私は韓国の固有の語彙や地名、人名が失われて中国の文化に染まっている今の韓国の状況がとても悔しいと思う。でも、失われたのは仕方ないだろう。数十年まえのハングル専用政策などの影響もあって、いまはほとんど日常で漢字を使うことはない。履歴書で名前を漢字で書いたり、論文とか新聞で漢字を時々みることしかなくて、外国人の観光客のための表示版で漢字があるだけだ。しかし、果たして韓国は日本より漢字を使わないと言えるのか。

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